スキーナリバー釣行紀憧れを追い求めてVol.6最終章
ついにとった。すごいファイトだった。デカい魚体のくせにあんなジャンプするのか?魚ってすげぇ!弱冠23歳の僕は興奮マックス。ジェイミーとfuckと言いまくりながら帰路に着きます。
帰宅するとジェイミーがいい釣りしたな。ナイスファイト。カクテルを作って出してくれました。気が利きすぎて恐縮ですが、お酒をほとんど飲まない僕はこれがなんなのかよくわからないけど田舎の森には似合わないシャレオツな酒をぐいっと飲み干します。沁みるぜ。

乗っていたハッパ。そこら辺の草ではないことを祈るばかり
ゆっくり名峰セブンシスターズを眺めながら酒を飲んでいた僕にキラーパス。ヘイコーダイ。寿司を作ってくれ。ここはカナダ。鮨酢も炊飯器も米もない。いやいや無理でしょ。助かったわーと思いながらキッチンに行くと日本米、リンゴ酢、鍋が置いてありました。うわー寿司なんて作ったことないし僕は炊飯器世代だよ。それにしても日本人がみんなニンジャじゃないしスシマスターでもないよ。なんだと思って。。。ふと思い出しました。僕は自己紹介で剣道有段者のためジャパニーズトラディショナルソードマスターと名乗りました。だから寿司職人と間違わられても仕方ありません。よし作るか。
昔読んだ名作寿司職人漫画の親方が言っていたことは覚えています。嘘か誠かわからない情報と記憶を元に寿司を作ります。おいジェイミー。今はタイショーと呼べ!
無事出来上がった寿司。努力の結晶。我ながらうまい寿司ができました。そうすっとのこのこジェイミーが来てアボガド、ゴマを乗せ、極みツケはこれがうまいんだワサビマヨ!おまえ!俺が真剣に作った江戸前の仕事!⚪︎すぞ!と思いながらパクリ。う〜んデリシャス。まぁいっか!

冷静になってみたらきったねぇ寿司。でもいいんです。野郎三人の食事に美は入りません。
ドタバタして翌朝起床。ついに最終日です。昨日一本釣った。すっかり片の荷はおりた。清々しい気持ちで釣りに向かいます。今日もピンク、コーホが順調に釣れて、いよいよラストポイント。泣いても笑ってもスキーナ本流ともお別れ。貴重な経験をありがとう。噛み締めながら流していきます。先頭の二人は反応なし。もうダメか。二日連チャンほどうまくはいかないなぁ。欲を言えばダブルハンドで釣りたかった。カナダのために仕入れたブルースアンドウォーカーパワーライト14ft。デカいコーホはちょうどよかったけどほとんどオーバースペックだったな。そう思っていた矢先。ピタリと止まるライン。根掛かりか?そう思って聞きアワセ。その瞬間リールがとてつもない逆回転。ブルースにはクリック。そう思って持ってきた1900年代前半のハーディユニーカ。クリック強弱すらない純粋なクリックブレーキ。ドラグ力なんて皆無。もはやモーター音と化したクリックサウンドとともにありえない速度でラインが出ていきます。やっちまった。。。スチールだとしてもこんな引きをするのは規格外のモンスターだ。悪寒が走り思考が追いつきません。必死でラインを止める。止まらない。今までの経験から必死にロッドを立てて仕事をさせる。グリップまでぶち曲がるブルースアンドウォーカー。もう決してオーバースペックなんかじゃない。適切なスペック。このロッドでよかった。心からそう思いました。この肉厚ブランクをグリップまでぶち曲げるサカナ。獲りたい。そこからは一心不乱にファイト。カナダはバーブレスなので一瞬のテンションフリーが命取り。ラージアーバーではないリールで必死に巻く。ないドラグ力を手で補う。自身の技術、経験をフルに稼働させます。そうしているうちにジェイミーが気付きランディング体制。あのジェイミーが大興奮。僕は魚が見えていませんが相当デカいみたい。ただデカい魚特有のへばりつき動かない体制へ。これ以上曲がらない。どうにかしてネットイン。ドン引き。規格外。なんだこれは。

動画の切り抜きですがぶち曲がるブルース
馬鹿でかいネットに収まっていたのはレコードサイズのスチールヘッド。1m7cm 26lb支流などでは釣りやすく難度も低い(無限に走らないため)ですがスキーナ大本流でこのサイズのスチールヘッドを上げた日本人はいるのでしょうか?そう思うほどの魚体でした。

1m7cm。26lbのスチールヘッド

この太さ。色味。Chromeだけどレッドバンドはくっきり。理想の色味

手のひらに収まらない尻ヒレ。大型の遡上魚は浅瀬に尻尾が擦れてしまうため下が白くなります。水面に尻ヒレが出て白かったらそれは興奮します

魚の腹に手を当てて前腕が体高で埋まる。規格外
やり過ぎだ。できすぎた釣果だ。針はチヌ針8号、グランドマックス5号。魚体のサイズを鑑みるにギリギリいや、貧弱なセッティングでした。取れたことが奇跡です。ファイト中何かの判断ミス、かける負荷の強弱、勝負所。何か一つでも間違っていたらバラしていたでしょう。個人的にはクリックドラグで獲ったことが何よりも嬉しかったです。ディスクではなくクリックで仕留める。釣りは難しいほど楽しい。この遠征で達成したかったことの一つです。
もう思い残すことはありません。まさかの大逆転。サヨナラホームラン。とても素晴らしい釣果で締めくくれました。今までの苦労も長時間フライトも全て報われました。帰りの飛行機が墜落しないか心配になるほどに。

ロッジに着いた時には泥だらけのボート。本当にお疲れ様
実はこの魚、僕のライフタイムフィッシュでありバースデーフィッシュ。こんなに最高の誕生日プレゼントは後にも先にもないでしょう。なぜか全て噛み合った感がある。ひとえにこの魚が釣れたのは協力していただいた方々、ポイントに連れて行ってくれたジェイミーのおかげ。自分がガイドを志す大きなきっかけになった魚になりました。自分もお客様を感動させられる良いガイドになりたい。そう強く思ったサカナです。
ロッジに帰宅後、おまえ誕生日だろ?と焼いてくれたムースのステーキ。彼はハンティングが趣味でこの冬に獲ったものだそう。これは格別に美味かった。痺れるほどに。何から何まで最高な誕生日でした。

どんな味?ぜひ現地で確かめてください。
これでひとまず遠征の一区切りがつきました。一生に一度だと思っていたカナダ。ふとしないうちにもう一度行くことになるとは。。。また別記事でご紹介いたします。それではまた。

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